Site icon 英語遊び.com

インド英語を知っていますか?- アルファベットの「正確な読み」について

通じる英語の発音とは
ジャパニングリッシュ(カタカナ英語)は、海外でなかなか通じません。

しかし、だいぶクセのある「インド英語(ヒングリッシュ/ヒンドゥ語訛りの英語)」は、どこでも難なく通じます。

なぜ、「ジャパニングリッシュ」は通じないのに「インド英語」は通じるのでしょう?

「インド英語」とは?

皆さんは、「インド英語」を聞いたことがありますか?

アメリカのドラマやアニメに、独特のアクセントで喋るインド系のキャラクターが出てくることがありますが、彼らが話しているのが「インド英語」。インドでは英語も公用語の1つに指定されているため、多くのインド人は英語を話せます。

「ヒングリッシュ」と前述しましたが、ヒンドゥ訛りだけでけでなくインド国内で話される様々な言語(インドでは30ほどの異なる言語、2,000前後のの方言が話されている)の特徴をもつ英語の総称で、以下の動画のようなバリエーションがあります。

どうでしょう?
上の動画に出てくる人たちは訛りが少なめではありますが、それでも学校で習う英語とはイントネーションなどが違いますよね?

アメリカ人やイギリス人は、この「インド英語」を難なく理解します。
語彙も多少違うので「?」と思うことはあるようですが、問題はないようです。

それなのに、日本語訛りの「ジャパニングリッシュ」は、なかなか理解してもらえません。一生懸命に発音しても、相手の眉間にシワが寄るばかり…と、日本人を英語恐怖症に陥れる大きな壁。

かなり訛っていても通じる「インド英語」
どんなに頑張っても通じない「ジャパニングリッシュ」

実は、この2つの訛りの違いに「通じる発音」のヒントがあります。

 

アルファベットを正しく読めば通じる!

インド英語がネイティブに通じるのは、

「アルファベットを読めている」

という、ほぼ一点だけが理由です。逆に言うと、「ジャパニングリッシュ」は

「アルファベットを読めていない」

ということ。

例えば、「Card」は、標準アメリカ英語では「カー」の長音部分で舌を丸めて軽く「R」を発音し、その後に軽く「D」を発音します。

インド人は「R」をハッキリ発音するので「Card=カルドゥ」のように聞こえます。訛ってはいますが、スペル通りの発音なので、がネイティブにはすぐ単語が想像できます。

一方、ジャパニングリッシュでは「Card=カード」。「R」の音が抜けた上に、「do」という綴りにない「O」音が入った末尾に発音されます。これでは、ネイティブは「Caado」「Kaado」というスペルが頭に浮かんでしまいます。

インド英語は訛っていてもスペルに近い発音なので理解できますが、スペルとかけ離れた発音ジャパニングリッシュは、ネイティブにとって理解しづらいのです。

 

「子音だけの音」に要注意!

ジャパニングリッシュを通じ難くさせている最大の原因は

「子音だけの音の発音」

です。「Card」が「カード(Caado/Kaado)」となってしまうように、母音のない「R」は発音しなかったり、「D」にないはずの母音「O」をつけて「ド(do)」と発音してしまうことが原因です。

この癖を直し、子音を正しく発音するよう気をつけるだけで、英語は格段に通じるようになります。

あとは、「L/R」「B/V」「F/H」「J/Z」「S/SH」なども注意が必要ですが、実はこれらは簡単(参考:超簡単!英語発音 3+2のコツ&練習法)。まずは「母音抜き」発音がマスターできていない人は、まずはそこから始めましょう。

実は、インド人も「Th」の発音は苦手で「T」「D」の発音になってしまいがち。「Thank you=タンキュウ」「That=ダット」のように発音しがちですが、その他多くのアルファベットが「読めている」ので全体としては通じます。

なので、鬼門はあくまでも頻出度の高い「子音だけの音」

気をつけて発音を繰り返している内に身につきますので、「通じる英語」のために必ずマスターしましょう。

 

「フォニックス」の復習してみる

アルファベットを正しく読むために、最近は「フォニックス」を取り入れた子供向けの英語学習法が増えています。

「フォニックス」は、上記の動画のように、アルファベット1文字ずつの発音を丁寧に身につける学習法。1文字毎の発音をマスターしたら、次は各アルファベットの音が単語のスペルになった時の音の混合などについて学んでいきます。

大人にとって、フォニックスを丁寧に学習するのは正直「かったるい」と思います。なので、本腰を入れて勉強しなくても良いですが、改めて全音を聴くことはオススメします

聴いた上で「この音は発音できていないかも」という弱点が見つかるようならラッキー。ぜひ矯正しましょう。

 

「文」のリズムも大切ですが…

単語毎のアクセントが、標準英語と違うことさえある「インド英語」。高めの声で、抑揚少なく平坦に話すのも特徴です。

英語を話す際には「英語らしい抑揚で」と、よく言いますよね。
確かに、「美しい英語」を話すには、文のリズムは大切です。

しかし、「美しい/美しくない」という高度な視点ではなく、「通じる/通じない」という言葉として最低限のレベルに限るなら、抑揚はそんなに重要ではない!と、インド英語を聞いているとわかります。

なので、まずは「通じる発音」に集中し、正確にアルファベットを読むこと。それができるようになったら、「リズム」を意識した美しい英語を目指しましょう。
※上記は「カタカナ英語」が身についてしまった大人に対するアドバイス。カタカナ英語のクセが付いていない子供は、音やイントネーションなど要素に分けず、とにかくネイティブのマネをしていくのがベストです。

 

まとめ

「ホーリー(Holi)」というお祭りをご存知ですか?
タイトル画像のように、カラフルな色の粉や色水などを投げ合って春の訪れを祝うインドのお祭りです。

インド英語は、ホーリーのように色彩豊か。住んでいる地域や社会的な地位、育ってきた背景などで訛りも千差万別ですが、みんな自信をもって「自分の英語」を話しています

「ジャパニングリッシュ」と「インド英語」の言語的な違いは

アルファベットを正確に読めているか?

という1点ですが、

堂々と話せているか?

心理的な違いも「通じる/通じない」の観点では大きいかもしれません。

私たちはネイティブではないのですから、訛っていて当たり前。引け目に感じる必要は一切ありません。

私たちが英語訛りの日本語を聞いても何とも思わないのと同様に、通じさえすれば、英語での生活もビジネスも問題ありません。

言葉はカラフル。世界には、イロイロな訛りの英語が活気よく飛び交っているオフィスがたくさんあり、それはそれで豊かな情景です。

ボソボソと自信なさげに話していては、大切な話も通じません。
アルファベットを正確に読む」ということだけ気をつけ、私たち日本人も「自分の英語」を堂々と話しましょう。