大人のための超簡単!英語発音 3+2のコツ&練習法

親の英語の簡単なコツ
「英語が苦手な自分が、どうやって子供に英語を…」と、皆さん悩みますよね。

しかし、心配は要りません
「子供の英語学習に付き合う」程度の英語なら、簡単な5つのコツで習得できます。

ズバリ、親の英語力は不要!だけど…

子供の勉強の手伝いだけなら、親の英語力はほぼ不要。単語の意味さえ理解しなくてもOKです。

ただし、
 「通じる程度の発音」
だけは、できると理想的。より多様な英語遊びが楽しめます(学習プログラムを利用するなら、それさえ不要な場合もありますが)。

知らない単語でも正しく発音できていれば、簡単な絵本も読めますし、一緒に歌うこともできます。
※子供は耳が良い&頭も柔らかいので、単語の意味など説明不要。いろんな文脈で耳目にしている内に理解します。

では、どうしたら「通じる英語発音」を身につけられるのでしょう?

 

なんで日本人英語は通じないの?

カタカナ英語、海外では全く通じませんよね。

というのも仕方ない話で、例えば、アメリカ人が「Beautiful」と言うと
「ビューリフォ」「ビューィフォ」「ビューラフォ」
などと聴こえ、どれでも難なく通じます。

しかし、「ビュ/ウ/ティ/フ/ル」と一音ずつしっかり発音するカタカナ英語では、「ビュ」の1音しか合っておらず、アクセントも異なります

当然、同じ単語とは思ってもらえないのです。

 

どうすれば「通じる英語」が話せる?

カタカナ英語という「負の十字架」を背負った日本人。
しかし、次に挙げる5点をクリアするだけでOK! 通じる発音になります。

まずは「コレだけは守ろう!3つのコツ」だけトライしてみましょう。

余裕がある方は「さらに自然な発音!2つのコツ」も心がけてみると◎ですが、無理はしないでくださいね。子供の英語学習は気長な話。親も気負わず、ゆっくり焦らず!が大切です。

 

コツ1. カタカナ英語を捨てる!

コレが一番大切

カタカナ英語は一切忘れ、知っている単語でも初めて口にするつもりで、ネイティブの発音を真似てみましょう

シャイな人ほどカタカナ英語になりがちですが、
「僕/私、英語ペラペラですから〜」
と自己暗示をかけ、なりきり英語を話す方が断然!通じます。

カタカナ英語=英語ではない!と、肝に命じておきましょう。

 

コツ2. アクセント音以外は力を抜き切る

前出の通り、「beautiful」という1つの単語でも人や状況によって発音が違います。

それでも通じるのは、英語に
 「アクセント音以外は軽く発音する」
という特性があるからです。

極論を言うと、アクセントの部分以外は曖昧な発音でOKということ。
「beautiful」は「bjúːtəfəl」という発音記号だと学校で習いますが、アクセントの場所以外は忘れましょう。

「beautiful」であれば、アクセントは「ビュー」なので、それ以外の音は曖昧。
「ビューティフォ」はもちろん、「ビューディフォ」「ビュートゥフォ」「ビュウーリフォ」などでも通じるくらいなので、アクセント音以外は、とことん!力を抜いて大丈夫です。

※「アクセントの場所がわからない」という方も、心配不要。そもそも、最初に学ぶ単語は「This」「Blue」「house」のように「一音語」がほとんど。1単語に1つしかない母音がアクセントになりますから、覚える必要はありません。そのうち音節が増えてきますが、子供と一緒に歌を聴いたり・動画を見ている内に「英語ならココにアクセント」とザックリわかる感覚がついてきます。

詳しい説明 (読まなくてもOK!だが、知っていると理解が深まる)
母音に関して、そもそも「beautiful」の発音表記にも使われる記号「ə」は
 別名「曖昧母音」
と呼ばれている音。一定の発音はなく「前後の音に合わせて曖昧に発音してね」という記号です。

「え、そんな曖昧な定義困る…」と真面目な方は捉えがちですが、仕方ないですよね。決まった音がないんですから。

適当に発音するしかありませんので、口から力を抜いてスペル通りの母音を言ってみましょう。「アイウエオ」とハッキリ発音してはNGです。
※どうしても1音に定義したい人は、極限まで力を抜いて「ア」と「ウ」の中間音を出せば通じます。

 

母音だけでなく、子音も曖昧に発音する場合があります

「ビューリフォ」のように、アクセント音でない「T」が「L」に聴こえてしまうのも一例。その理由は;
 1. この2つの音は口の形が同じ&舌の位置も近い
 2.「トゥッ」と空気を破裂させる「T」に比べ、「L」は力の抜けた音
という2点です。

試しに、「beautiful」を思いっきり!ダラっと発音してみてください。-「ティ」が「リ」っぽくなりませんか?

「T」は空気を軽く破裂させるために息を強く出さないといけませんが、「L」は破裂のない楽な音。ダラっと話すと「T」は発音できませんが、「L」は問題ありません。

同様に、アクセントの付いていない「D」音が「L」がように聴こえ、「Daddy/父親」が「ダリィ」と聞こえることも。

これらの発音変化は、実は日本でもおなじみそう、酔っ払いです

力が抜け、ろれつが回らなくなった酔っ払いは、
「だからさ、そんなこと言ってないでしょ」

「らからさぁー、そんなころいっれないれしょー」
と発音し、見事に「T, D」→「L」変換を起こします。

このように、英語の特徴のように言われている非アクセント音の変化も、実は、酔っ払いレベルに力を抜けば誰にでも起きる現象。最初は馴染みづらくても、発音がこなれてくると自然とそうなります。

前述の通り、
「僕/私、英語ペラペラですから〜」
と自己暗示をかけて、アクセント&非アクセント(力を抜いた発音)の効いた英語を話してみましょう。

 

参考までに、「T, D」→「L」以外の力を抜いた発音例としては、

Nの後の「T」音が消える(「twenty/20」→「トゥエニィ」)

などがあり、アメリカ英語に特に強い傾向と言われています(…と言っても、アメリカ英語にも色々ありますが)

 

コツ3. 「F」「N」「Ng」「R」「S」「V」「Z」を意識

アクセント音以外が適当でも通じるのは、アクセント音がきちんと発音されるから。

なので、アクセント音は正しく発音する必要があり、気をつけるべきは;
 「F」「 N」「Ng」「R」「S」「V」「Z」
の7音だけ。その他は日本語発音でも通じます(厳密には日本語・英語で違う音もありますが、「通じる」という点でOK)

母音にも日本語にない音がありますが、日本語音でも通じることが多いので、とりあえず初心者は無視して大丈夫です。

 

「N」「Ng」

この2音は、
 後に母音がつかない「N」は軽く「ヌ」(「ン」はNG)。
 後に母音がつかない「Ng」は軽く「ン」(「ング」はNG)。
と発音します。

つまり、
「Phone/電話」は「フォヌ」
「jogging/ジョギング」は「ジョギン」
のように、軽い「ヌ」「ン」で発音すると通じます。

軽く!というのがポイントで、あまり「ヌ」「ン」を強く言わないようにしましょう。

 

「S」「Z」

「Sea /海」や「Zipper/ジッパー(ファスナー)」のように、後に「I」母音が付いて「シ」「ジ」の発音になる時だけ、
 「S」は「スィ」
 「Z」は「ズィ」
と発音しましょう。

他のサ行・ザ行音(「サスセソ」「ザズゼゾ」)は、日本語発音のままでも通じますし、「Sh」「J」のスペルの時(ship, jingleなど)には、日本語の「シ」「ジ」で通じます。

詳しい説明 (読まなくてもOK!だが、知っていると理解が深まる)
面白いことに、日本語のサ行・ザ行は「シ」「ジ」だけ発音が特殊。

試しに、舌の位置を意識しながら「サシスセソ」「ザジズゼゾ」と言ってみてください。-どうです? 違いますよね??

日本語の「サシスセソ」「ザジズゼゾ」の音を欧米人が正しく発音できるようにアルファベットに直すと;

「Sa Shi Su Se So」 「Za Ji Zu Ze Zo」

となり、「シ」「ジ」の部分だけ 「Sha Shi Shu She Sho/シャシシュセショ」「Ja Ji Ju Je Jo/ジャジジュジェジョ」 の音がきています。

発音記号で表すと、前者は「スー音(hissing sound)」と呼ばれる[s][z] 、後者は「シュー音(hushing sound)と呼ばれる[ʃ][ʒ]」。いずれも歯擦音(しさつおん/ Sibilant)と呼ばれる摩擦音の一種で、舌で行きの出口を狭めることで、擦れたような音を出す発音群です。

下例のように、「S」を「シ」と発音すると意味が変わってしまう語も目立ちますので、気をつけましょう。

Shi(シ) S(スィ )
スペル 読み方 意味 スペル 読み方 意味
sheet シート シーツ seat スィート
sheep シープ seep スィープ 浸透する
ship シップ sip スィップ  一口飲む

 

「R」

日本人を「英語アレルギー」しがちな「L/R問題」。

しかし、難しいのは聞き取りだけで、発音分けは簡単
 「L」は日本語の「ラリルレロ」
 「R」は前に小さい「ゥ」をつけた「ラリルレロ」
と覚えれば大丈夫です。

日本語の「ラリルレロ」は、英語のLに近い音(厳密には違う音ですが)。なので、「L」は日本語の「ラリルレロ」でOK。

問題の「R」も、「Rice/お米」は「ゥライス」のように、小さい「ゥ」をつけるだけ

「ゥ」とラ行音の間を開けず 「ゥラ」「ゥリ」「ゥル」「ゥレ」「ゥロ」 の各々を “あくまでも一音” として発音するのがコツ。「ゥ」は軽く・小さく添えましょう。

詳しい説明 (読まなくてもOK!だが、知っていると理解が深まる)
なぜ小さい「ゥ」でRが発音できるのか?

その理由は、舌の位置にあります。

まず、舌の位置に意識しながら、日本語で「ラリルレロ」と言ってみてください。
舌で歯茎の裏をタッチしながら発音しますよね? -コレが「L」の音。

では、舌が歯茎の裏を当たらないようにして「ラリルレロ」と言ってみてください。
少しこもった音になりますよね?-コレが「R」の音です。

このやり方でも「R」は発音できますが、やりにくいですよね?
なので、より簡単に舌が口蓋にタッチするのを防ぐために、小さい「ゥ」を活用します。

実際に声に出して、「ゥラ」「ゥリ」「ゥル」「ゥレ」「ゥロ」と言ってみてください。
舌は浮いたまま。どこにも触らずに「ラリルレロ」が言えますよね? -コレで、「通じるRの発音」完成です。

しかも、小さい「ゥ」をつけると、舌が少し前→後ろに巻くように移動しながら発音できます。いわゆる「巻き舌のR」に少し近くなり、よりネイティヴらしい音になります。

拍子抜けするほど簡単ですが、ちゃんと「通じる仕組み」のある発音法。100%自信をもって、活用してみてください。

 

「F」「V」

学校などでは「下唇を噛んで発音」と言われますよね?-これが、実は間違い

いちいち下唇を噛んでいたら疲れますし、女の人は口紅もハゲます。ネイティブには「ふざけてるの?」と笑われかねません。

正しい発音法は、
 下唇裏の粘膜部分に上前歯をつけ、隙間から空気を「フッ/ヴッ」と出す
です。

F,Vの発音

唇の裏の粘膜部分(=ツルンッととしている箇所/口紅を塗らない箇所)に軽く歯を当てたまま、Fは「フッ」/Vは「ヴッ」と空気を出しながら、「ファフィフフェフォ」「ヴァヴィヴヴェヴォ」と言ってみてください。

空気が摩擦するような音になりましたね?-それが、「F/V」の音です。

実は簡単な「F」と「V」
意識して発音している内にすぐに慣れます。

 

コツ4. 終わり子音+始まり母音 または 語尾+語頭の同じ音はくっつく

英語発音では、単語同士がくっついて;

「Her name is Ai (彼女の名前はアイ)」

「ハァネィミズアイ」「ハ ネィミザイ」

「I went to the park with them」

「アイウエントゥダパークウィデン」

などとと聞こえます。

1文めは、「name」は子音終わりの単語なので、後に来る「is」の「I」母音とくっついて「ネィミズ」のような発音になります。さらに、「is」の子音と「Ai」の「A」母音がくっついて「ネィミザイ」のように聞こえることもあるでしょう。

また2文目は、「went / to」と「with / them」で「T」「TH」音が重なっているので、各々1音ずつ省略して「wento(ウエントゥ)」「withem/ウィデン」のように発音します。

なので、「終わり子音+始まり母音 または 語尾+語頭の同じ音はくっつく」と覚えておきましょう。

詳しい説明 (読まなくてもOK!だが、知っていると理解が深まる)
「終わり子音+始まり母音 または 語尾+語頭の同じ音はくっつく」と書きましたが、本当は、くっつけなくても通じます

「え?じゃあ、くっつけない方が楽…」と思いましたか?
だとしたら要注意。カタカナ英語発音が抜けきれていない証拠です。

音をくっつけて発音する(専門用語で「リンキング(Linking/つなげる)」と言います)メリットは、
 「カタカナ英語」の撲滅
です。

母音とは「アイウエオ」のこと。日本語は「ン」以外の全音に母音が使われており、どの単語も母音で終わります(「ン」は、後に繋がる音で音声変化をする、日本語にしては特殊な発音。詳しい説明は割愛しますが、「ン」で終わる語の場合には「鼻母音」という母音に変化します。)

逆に英語は、子音終わりが多い言語。母音で終わる語には、多くの外来語が含まれます。

この「子音終わり」が、無意識のうちに全音を母音で終わらせようとする日本人には強敵。なかなか抜けないクセですが、「正しい母音をくっつける」工夫をすれば、発音間違いがグッと減ります

つまり「ハ/ア/ネ/イ//イ//ア/イ」というカタカナ発音(下線部に不要な母音が入っている)が、このルールを使うだけで「ハアネイミザイ」と、だいぶ英語発音に近づくのです。

また「with them」のような言いにくい音をしっかり言おうとすると、「ウィゼム」のようにwithの語尾にに不要な「U」音を付けがち。通じない英語になってしまいます。

なので、厳密守らなくても良いルールですが、発音練習時には意識しておくと◎。カタカナっぽさがグッと減ります。

 

コツ5. 伝えたい単語を強調する

重要な単語を大きめの声で言う(抑揚をつける)と、わかりやすい英語になります。例えば;

「Her name is Ai, who’s a student of our university and is a good friend of mine as well.」
なら
「ハネィミザイフーザストゥーデントヴァゥワユニヴァースィティェンディザグッフゥレンドヴマイナズエル」
となりますが、抑揚なく読むとまるで呪文。何にも伝わりません。

「彼女の名前はアイ。ウチの大学の学生で、私の仲良しでもある。」という文ですので、伝えたい単語は
「アイ」
「大学」
「学生」
「友達」
辺りですよね

なので;
「Her name is Ai, who’s a student of our university and is a good friend of mine as well.」
(ハネイミザイフーザストゥーデントヴァゥワユニヴァースィティェンディザグッフゥレンドヴマイナズエル)
というように、下線部を少し強く・大きめの声で言う抑揚をつけてみましょう。

一気に伝わりやすく、自然な英語になります。

詳しい説明 (読まなくてもOK!だが、知っていると理解が深まる)
英語には;
 ・単語よりもフレーズ(語のかたまり)を重視する
 ・一音ごとの正確さよりも、アクセント&リズム を重視する
という傾向があります。

また、発言を聞き手の解釈に任せがちな傾向がやや強い日本語に比べると、
 ・話し手が聞き手の解釈をコントロールする
という傾向が強いとも言えます。

コツ4で説明した「音節同士・単語同士リンキング」と、コツ5で説明した「抑揚」が、発音上では大切になってくる背景には、この英語の3つの特性があると理解してください。
※リンキング(Linking)=音や語をつなげることです。

なので、抑揚に関して一定の法則はなく、話し手が伝えたい内容によって強調箇所は変化します

例えば、例示の文が発言された状況が;

「『アイ』が自分の親友であることを知らずに、『あのバカそうな女、誰だよ』と言ってきた同じ大学の同級生に返す言葉」

という場合には、
「アイ」
「私たちの(大学)」
「私の(友達)」
が強調語になります。これによって;

「アイは、あなたや私と同じ大学に入れる程度の学力があって(=彼女がバカなら、あんたも私もバカってこと)、他でもない私の友達だよ(=悪口言うな)!」

ということが伝わり、聞き手の解釈をコントロールできます。

 

英語を話す=「英語的な考え方」を身につけること。
「発言の解釈を聞き手に委ねない(話し手が意図する理解ができるよう発言する)」というのも「英語的な考え方」の1つです。

「子供の英語の勉強を手伝いたい!」
「旅行で困らないようにしたい!」
などが目指す英語レベルであれば全く気にすることはありませんが、
「英語でビジネスをしたい!」
等のレベルになると、この「英語的な考え方」が大切になってきます。

英語が好きになり、上達したい!と思うようになった方は、ぜひ、頭の片隅に入れておいてください。

 

まとめ

以上のコツを頭に入れたら、あとはひたすら…

 実際に発音!発音!!発音!!!

欲張らずに、最初はコツ1〜3までに挑戦。自信がついてきたら、コツ4と5も試してみましょう。

個人差はあるでしょうが、1週間くらい毎日・たくさん音を発声してみれば、口はなじみます。身近にある英語(絵本などはもちろん、お菓子のパッケージや好きな歌の歌詞の英語部分など、何でも構いません)で試してみましょう。

これは、子供の目の前でやってみるのも良いですね。大好きなパパやママが英語を読む姿に興味をもち、英語の時間を共有するキッカケになるかもしれません。

出だしは口が回らず「うっ…」と思うかもしれませんが、まずは1週間!(←健康食品の宣伝みたい…笑)
その内に自然と口が動くようになります。

 

大人だって成長できる!
親子の「英語遊び」がより楽しくなる簡単発音法、ぜひトライしてみてくださいね。

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