子供は語学の天才!…でも、知っておくべき早期英語教育「良い点・悪い点」

子供には、英語ができるようになって欲しいですよね。
学校での成績はもとより、大人になった時に、英語ができる方が仕事などの選択肢の幅がグンッと広がりますから。

しかし、英語の早期教育を批判する声もチラホラ。なので、

本当のところ、早期英語教育は良いのか・悪いのか?

という情報をまとめてみました。

  • 子供の英語はいつから始めるのが正解なのか?
  • 子どもの英語教育は本当に必要なのか?

一緒に考えてみましょう。

英語を始めるのは早い方が良い!

結論から言うと、英語学習は乳幼児から始める方が良いでしょう。

小さい子は頭が柔らかく、英語をグングン吸収できる!ということもありますが、特に注意すべきは、
音の聞き取りの時効
です。

赤ちゃんはどんな音でも聞いて・よく真似することができますよね。「L」と「R」が聞き分けられないオトナとは大違い。

それが、10ヶ月頃から「生活に必要な音」の脳内統計が始まり、3歳頃になると「生活に不要な音」を理解するシナプスがプツン!プツン!と切れていくそうです。

なので、日本語しか聞いていない環境では、日本語にない音が「生活に不要な音」に振り分けられ、聞き分けにくくなってしまうとのこと。いわゆる英語耳』の喪失です。

よって、諸説ありますが、「音の聞き取り」はできれば3歳頃(遅くても12歳頃)までには始めた方が良いでしょう。

 

「音学習の時効」は延ばせない

例えば、前出の「L」と「R」。日本人には聞き分け不要な音ですので、普通に生活していると、この2音を聞き分けるシナプスはプツン!と切れてしまいます。

それが、個人差はあるものの、10〜12歳頃には限界を迎えるそうです。

これまでの科学的研究により、言葉を聞き取る能力は、10歳~12歳頃に臨界期を迎えるとのこと。

臨界期とは、母国語(私達にとっては日本語)以外の音を聞き取れるギリギリの限界です。その臨界期を過ぎれば、日本語以外の言葉を聞き取るのは非常に難しくなります。

(出典:https://kidsna.com/magazine/education-english-991)

これ↑が、大人になってからの聞き分けが難しい大きな理由。

喪失した『英語耳』を、大人になってから育てるのはほぼ不可能ということです。

例えば「L」と「R」は、大人になってからだと、「少しこもった音だから…R?」という風に頭で考えて聞き分けたり、文脈で聞き分けたりすることになります。これは難易度が高く、自然な聞き分けのような100%の聞き分けを瞬時に行うには苦労が伴います

ボキャブラリー等は、後からいくらでも増やすことができますが、「音」の効率的な学習には「時効」があることを覚えておいてください。

 

早期英語教育の悪影響は?

「子供に英語を教えると、日本語が中途半端になる。母国語が中途半端だと、考える力が育たない。」-そんな批判を耳にすることがありますよね。

いわゆる「ダブルリミテッド(セミリンガル)問題」です

しかし、、、日本に住んでいて、ダブルリミテッドになるほど、子供を英語漬けにすることはできますか?-たぶん、できる人はかなり少ないはず。

ダブルリミテッド(セミリンガル)」は、主に海外に長期滞在している子供の問題です

家族も友達も、みんな日本語。TVから流れてくるのも日本語。日本語だらけの暮らしの中では、例えば親が英語しか話さないとか、幼稚園/学校が英語のみとか、そこまでできてから初めて

「ウチの子、ダブルリミテッドにならないかしら?」

と心配すれば良いでしょう。

 

それでもダブルリミテッドが心配なら…

「どこまで子供を英語漬けにしてしまったらNGなのか?」が気になる方は、「軸となる言語を決める」ということを心掛けてください。

例えばスイス人など、3ヶ国語以上をサラッと話す外国人は、珍しくありません。-しかし、彼らはダブルリミテッドではありませんよね?

これは「家ではフランス語」というように「軸となる言語」を持っているから。

「基本的にはフランス語で考えて生活をしているけれど、イタリア語やドイツ語、英語も、学校や地域の集まり、TVなどでよく耳にするから覚えた。それらの言語へカチッとすぐにスイッチを入れられる。」というのが、彼らマルチリンガル脳内システムです。

なので、ダブルリミテッドが気になるようであれば、

日本語での親子会話の時間をしっかり作る日本語の本も読ませる。」

などに気につけましょう。

 

…しかし、本音を言うと、「シングルリミテッド」だってあり得ますよね?-1つの言語しか知らなくても、思考が育っていないケースです。

心配すべきは、何語を使っているか?ということよりも、

「毎日たくさん周囲と会話し、本などを読解する習慣があるか?」

ということ。

それ無しでは、日本語だけで育てたとしても考える力は育ちにくいと、肝に命じておきましょう。

 

正体不明の「日本人らしさ」に怯えない

ダブルリミテッド以外の悪影響として耳にするのは、

  • 「日本人らしさ」が育たない
  • 子どものストレスになる

といった懸念でしょうか。

まずは1点目の「日本人らしさ問題」。
これは、英語のせいではないですよね?

そもそも「日本人らしさ」って何?という曖昧性の問題もありますが、仮に、
「日本人らしさ」=日本で暮らすための常識・良識
だとしたら、それは使用する言語に関係なく、生活の中で教えていくこと

海外暮らしでは欠けてしまうこともあるでしょうが、日本に住んでいるならなおさらです。

また、仮に、
「日本人らしさ」海外に出た時の日本人らしい個性
だとしても、使用する言語に関係なく身に付いたり・身に付かなかったりする要素。

「日本語で考えると日本人的な考え方になる」という意見には一理ありますが、だったら、軸となる言語(母語)を日本語に据えて、英語教育をすれば良いでしょう。

そもそも「平均的な日本人とはちょっと違うな」という点があっても、良識や思いやり、柔らかな発想力などを備え、全体として魅力的な個性に育っていれば、日本でも海外でも生きていけます。

世間にはいろんな情報が溢れていて、子供のことを想うほどに、どんな情報も気にかかりますよね。-そんな時こそ、冷静に情報を読み解くことが大切。

「日本人らしさ」の中身と子供にとっての価値を考え、冷静に判断しましょう。

 

子供に英語を押し付けない

次に、2点目の「子供のストレス問題」。
こちらは極めて重要です。

過度のストレスになるような英語教育は、子供にとって何より大切な「心の成長」の上でマイナス。おまけに英語嫌いになってしまっては、親の想いも努力も水の泡です。

なので、少なくとも乳幼児〜小学校低学年くらいの英語学習は
 ストレスの少ない、楽しいモノ
となるように心がけましょう。

そもそも言葉とは、生活の中で、自分の思うことを伝え、家族や友達など好きな人たちの気持ちを理解し、自分にとって心地よい環境を作るために自然と覚えていくもの

  • (英語で)ママと遊びたい!
  • (英語を言ったら)パパが喜んだ!
  • お気に入りのキャラクターと(英語で)話したい!
  • DVDで見た(英語の)歌&踊りを自分もしたい!

そんな日々の「嬉しい!」「楽しい!」中に「英語」をスルッと入り込ませるのが、早期英語教育のコツ。日本語を覚えていく過程と全く同じです。

 

親のココロにも余裕を

子供にストレスを与え過ぎないために、親自身が頑張り過ぎないことも大切。

子供は親の気持ちに敏感です。イライラすると「何でできないの!」と子供に八つ当たりしてしまうかもしれません。気持ちが萎縮した中でイキイキとした英語など学べませんし、英語よりも大切な「心の成長」に傷を負わせることにもなりかねません。

早期英語教育で一番大切なのは「音学習の時効」を逃さないこと。その一点です。
耳だけ鍛えておけば、後は大人になってからでもリカバーはできます。その時点での、子供自身のやる気次第です。

「忙しくて、親子英語は無理」感じた時などには、「流しっぱ動画」以外は一旦やめてしまうとか、「学習プログラム」に頼るとか、思い切った方向転換をしてしまうのも悪くありません。

このサイトでご紹介している「英語遊び」は、親も楽しめることを前提に構成しています。気持ちに余裕が出てきたら、ゆっくり1 つずつ試してみて、自分も子供も笑顔になれるものだけ続ければ良いでしょう。

英語は、生活道具の1つに過ぎません
プレッシャーを感じ過ぎて、大切な子供との時間を台無しにすることがないよう、ゆったりとした気持ちで英語を生活に取り入れましょう。

 

早めに始めて・ゆっくり進める

英語や英会話ができるようになるには、『英語耳』以外のチカラもいずれ必要になります。何千個もの語彙を身につけ、それを使いこなす法則性(≒文法)をしっかり覚える必要もあります。

言語学習とは、とにかく、覚えるべき情報量が多いモノなのです。

また、何歳から始めたとしても、途中で飽きたり、上手くいかない時期もあるかもしれません。また、
「今は、大好きなサッカーに打ち込ませてあげたい」
など、英語との距離を置きたいタイミングがあるかもしれません。

そんなことがあっても、焦らず余裕を持つことができるのも早期英語教育の利点。

何もしていなかったら、学校の勉強として、小学校3年生から英語に費やさなければいけない時間を、スポーツや他の活動に使うことができるかもしれないのです。

他の教科とは違い、乳幼児から学べる英語。

早めに始めて・ゆっくり焦らず進める

ということのメリットを知っておきましょう。

 

まとめ

以上をまとめると;

「『英語耳』を喪失しないために、できるだけ早い時期から英語に触れることは◎。ただし、子供が楽しめる方法で、日本語でのコミュニケーションも大切にしながら取り入れると良い。」

ということになります。

個人的には、イヤイヤ期より前には始めた方が、親子共にストレスなく・楽しく・英語が自然に生活の一部になるかな?と思います。

イヤイヤ期は何をするのも大変ですし、その後は自分の意思が強くなりますから、その前に
 「遊びの選択肢の」として英語が既にある環境
を作っておけると、新しいことを始めるよりも楽です。

子供の英語教育は、やろう!と決めた時が始め時。

お金&手間をかけずできることもたくさんありますから、子供の反応を見ながら、親にとっても無理の少ない最適な方法で始めてみることをオススメします。

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