子供が学ぶべき “20年後の未来”に役立つ英語 とは?

English for Future
「将来のためにも、英語ができる子に…」と思うのは親心ですよね。

しかし、一口に「英語」と言っても、「話す・聴く・読む・書く」など様々な英語があり、

  • その全ての能力を満遍なく向上すべきか?
  • その中のいずれかに集中すべきか?

で、英語の学び方は変わってきます。

では、「子供が将来のために身につけるべき英語」とは、一体どんな英語なのでしょう?

なぜ、英語が必要なのか?

「子供の将来のために、英語ができた方が良い」と、多くの人が言います。-しかし、なぜ「子供の将来」には「英語」が必要なのでしょう?

いろいろな理由はありますが、おそらく一番大きいのは「就職・仕事」を考えてのこと。

となると、“「就職・仕事」に効く英語” を判断するために、今の幼児・児童が大人になる “2040年頃の「就職・仕事」環境” を予測する必要があります。

100%正確な未来予測はできませんが、少なくとも言える「20年後の日本像」は、

現在の比でないほどグローバル化が進み、国内・外の経済圏の垣根が希薄になる

ということではないでしょうか。

様々な技術やサービスの進化、国とは別枠の経済圏を構築する外交的な動き、仮想通貨など経済システムを根本から変えるインフラの台頭など、超グローバル化は「進まざるを得ない不可避の未来」と言っても過言ではありません。

国を超えて人・物・価値が軽々と往来する未来で、子供たちは働くことになるのです。

したがって、20年後の「仕事・就職」には「英語」が必要、または、できることが有利。そう考えるのが自然です。

 

20年後に役立つのは「対話力」

では、超グローバル化が進んだ未来では、どのような「英語」が必要になるのでしょうか?

「どのような職に就くか?」「自動翻訳の技術&サービスがどこまで・どのように進化するか?」等によっても異なりますが、いずれにせよ大切になってくるのは;

「英語で対話するチカラ」

これだけは間違いありません。

世界の共通語(=英語)で相手の懐に飛び込み、友好な関係を結び、それを経済価値に変えていくチカラです。

AI等で代替し難い能力。
相手を理解し・自分を伝え、世界の誰とでも繋がりを構築できる能力。

それが「対話のための英語力」です。

表面的な意味翻訳は、いずれ機械が代替するでしょう。しかし、

「この人と働きたい」
「この人に任せたい」
「この人なら信頼できる」

という「人間臭さ」は、未来の「就職・仕事」環境でも残るどころか、強くなっている可能性もあります。企業など組織の提供する物やサービスの差別化が難しくなった場合、それを薦める人自体が、差別化の要素になり得るからです。

 

子供が育てるべきは「音」に関するチカラ

そんな「対話のための英語力」の基礎として大切なのが;

「対話を澱ませない耳(音の聞き取り力)」
「対話を弾ませる口(通じる発音力)」

の2つ。いずれも、「音」に関する能力です。

そして、「音」に関する学習は幼児期から行うのが理想的(詳しくは「知っておくべき早期英語教育「良い点・悪い点」」に記載してありますが、「音の聞き取り」に関しては3歳〜遅くて12歳までというのが一般的)。子供の内に「耳」を慣らしておくことで、英語の音を脳内で正しくカテゴリー分けでき、「口」からも自然と正しく発音されます。

時効がある「音」の能力は小さい内に育てておく必要がありますが、ボキャブラリー等は、後からいくらでも増やすことができます。

なので、まずは「音」。これが子供への英語教育のポイントです。
※どちらかと言うと語彙や文法に力を入れている学校の英語教育での成績UPではなく、将来使える英語力を養うという目的でのポイントとご理解ください。

 

最初は「音だけ学習」でOK!

お子さんの英語学習の目的が、

「将来の仕事・就職に役立つこと」

であるという方、そして、そのために必要な英語が

「対話のための英語力」

であるという点に共感できる方は、

「英語音が聞き取れる+通じる発音ができる」

だけを「とりあえずの目標」として、お子さんの英語学習を始めてみてください。

もちろん、その副産物として、ボキャブラリーが増えたり、簡単な英会話ができるようにはなります。しかし、当座は、

「文法などがイマイチでも気にしない・子供にも気にさせない」

という軽やかな姿勢で大丈夫。その点に集中するだけで、親も子も学習のストレスが減り、より楽しく英語に親しむことができます。

 

「音だけ学習」は “マネ” がポイント

親が英語を話せなくても、子供の「音だけ学習」はできます。

用意すべきは、流しっぱ動画で紹介しているような良質な無料動画や、年齢や英語レベルに合った英語教材です。

ポイントは、

「子供がマネをして歌ったり・話したりしているか?」

です。子供が楽しみながら、自然と英語を口ずさんでいるようなら、それを褒めてあげながら、しばらく同じ方法(ただし、見せる動画や聞かせるCDは複数とし、様々な人の発音に慣れさせるようにする)で進めましょう。

すぐには口から英語は出ませんので、(年齢や個性にも寄りますが)1ヶ月程度は様子を見てみましょう。興味を持って聴いているようなら続けても良いでしょうし、そうでなければ、別の遊びや教材を組み合わせてみてください。

マネして口に出した言葉が不正確でも、褒めてあげてくださいね。注意しなくても、繰り返し効く内に発音は矯正されることが多いですので。
※注意するなら、さりげなく教える(例えば「Caterpillar」を「キャピラー」のようにマネしても「お歌上手!Caterpillar(正しい発音で)ね。」と正しい発音を示す)程度で大丈夫です。

「マネをする」とは、注意して英語を聴いている証拠。この傾聴姿勢が大切です。

BGMとして聞き流すことで終わってしまうと「耳」と「口」は育ちにくいので、この点だけは気をつけてください。

 

「魅力的な人間性」も大切

「耳」と「口」の育成と合わせて、「対話のための英語」に大切なのが

「魅力的な人間であること」

です。英語が話せたとしても、伝えられる人間性がなければ「機械翻訳」のようなもの。言葉で人との繋がりを構築することは難しいです。

では、「魅力的な人間」は、どのように育つのでしょうか?

「就職・仕事」に効く「魅力」は、コミュニケーション能力。自分が目立つこと以上に、他人の心を開く力が大切です。

それには、月並ではありますが、乳幼児の内には、自分が愛されていることを知り、毎日が楽しい発見に満ちていることが、何よりもの学習。自己肯定感の強い、根の明るい(表面的に明るいのではなく、根本的な考え方が前向きな)人間に育つ基礎となります。

そして、児童になれば、そこに教科として学ぶことや、学校での複雑な人間関係からの学びなどが加わります。さらには「アニメが好き」「昆虫が好き」など、何か熱中できるものに出会えるかもしれません。

その平凡な1つ1つの物事をしっかりとこなしていくことが大切。
海外生活や特別な習い事などユニークな経験がプラスになることもありますが、必須ではありません

平凡であることにむしろ自信をもち、地に足のついた育児をしていきましょう。

 

ムリのない英語学習を

英語学習は大切。しかし、所詮は言葉です。

通じることが大切で、学校教育で求められるような「正しさ」は二の次!というくらいの気楽さで、無理のない目標設定をしましょう。
※洗練された「正しい英語」がその人の教養や社会ランクを高く見せる傾向はありますが、そのレベルが必要!と子供自身が感じるようになったら努力すれば良いことです。そもそも、外国人の英語が多少崩れていても、それを気にするネイティブは少ないですし、日本人ほど「英語の正確性」にこだわる非ネイティブは少ないのが現実です。

「耳」と「口」さえ育っていれば、その後のリカバーは本人次第。何とでもなります。
子供が将来なりたい職業や、その時代に求められる+αの力が具体的に見えてきてから取り組んでも間に合うと考えましょう。

 

まとめ

子供たちの将来は、明るいでしょうか?

地理的な制約を受けずに活躍できる場が広がるということは、厳しさもあるでしょうが、やりがいがある楽しい未来のようにも思えます。

そのために、口で大切なことを伝え、耳で相手を理解し、よりお互いを豊かにするコミュニケーションを取れることは大きな武器となるでしょう。

子供の将来を親が全てお膳立てしてあげる必要はありませんが、幼児期にしかできない「音」の能力を育てておいてあげることは、現代の子供への大きな贈り物になります。

子供が学ぶべき “20年後の未来”に役立つ英語 =「対話のための英語」を身につけ、しなやかに明るい未来を楽しむ大人が増えていくことを願っています。

LINEで送る
Pocket

コメントは受け付けていません。